転職エージェントの早期離職率、公表しているのは誰か

筆者は本記事で扱うサービスを利用していません。本記事は公開情報を集計・整理したものです。 編集方針

有料職業紹介事業者は、就職者数や早期離職者数を厚生労働省へ報告することになっており、その内容は「人材サービス総合サイト」で誰でも閲覧できます。

ただし、実際に数字を出している事業者は多くありません。当サイトが9社を1社ずつ調べたところ、はっきりした偏りが出ました。

9社の報告値

令和8年8月1日現在の値です(2026年8月12日に確認)。

  • 明光キャリアパートナーズ 16.1%
  • アイムファクトリー 2.9%
  • レバテック 1.9%
  • アクシスコンサルティング 1.1%
  • 株式会社MyVision 0.0%
6か月以内の離職の割合(無期雇用の就職者に対する比率)。離職者数を報告している5社のみ。色が付いているのは10%以上。
事業主 就職者 うち無期 6か月以内の離職 割合
明光キャリアパートナーズ 547 137 22 16.1%
アイムファクトリー 272 272 8 2.9%
レバテック 7,963 7,810 146 1.9%
アクシスコンサルティング 653 653 7 1.1%
株式会社MyVision 1,931 1,931 0 0.0%
エス・エム・エス 50,641 50,641 報告なし
レバレジーズ 5,067 5,060 報告なし
ネオキャリア 3,386 503 報告なし
ワット・コンサルティング 報告なし 報告なし 報告なし
厚生労働省 人材サービス総合サイト(令和8年8月1日現在/2026年8月12日確認)。「割合」は当サイトが「6か月以内の離職 ÷ 無期雇用の就職者」で計算した値。

表の数値は各事業者が厚生労働省へ報告した自己申告値で、国が検証・監査したものではありません。 「報告なし」は0人を意味しません。 許可は事業主単位のため、複数のサービスを運営する事業者の値は合算です。

「報告なし」は0人という意味ではありません。数字が存在しない状態です。

分かったこと

1. 報告していない事業者には、就職者数の多い先が多い

報告なしの3社は、就職者数が50,641人・5,067人・3,386人です。一方、離職者数まで報告している5社は272人〜7,963人の範囲に収まります。

就職者数の上位が、そのまま離職者数の空欄と重なっています。

理由は当サイトでは分かりません。事業規模が大きいほど追跡の手間がかかる、複数事業を抱えていて集計単位が合わない、といった事情は考えられますが、いずれも推測です。

言えるのは事実のほうだけです。報告していない事業者は、この指標では比較できません。

なお、規模が大きいと必ず報告しないわけではありません。当サイトが後日、就職者87,754人という最大規模の事業者を確認したところ、6か月以内の離職を5,018人と報告していました(インディードリクルートパートナーズ)。この記事の9社の範囲では規模と空欄が重なりましたが、規模が理由だと決まったわけではありません。

2. 割合は0%から16%まで開いている

報告している5社の値は、0.0%・1.1%・1.9%・2.9%・16.1%です。

同じ様式の報告でこれだけ差が出るということは、数字が実態の差を表しているのか、報告のしかたの差を表しているのかを、外から判別できないということでもあります。

特に0.0%は、1,931人が全員無期雇用で就職し、6か月以内に1人も辞めず、しかも追跡できなかった人も0人という報告です。実績としてそのまま読むのは適切ではないと当サイトは考えています。

3. 「報告している」こと自体が情報になる

この数値は事業者が自分で入力して提出したもので、国が内容を検証・監査したものではありません。

したがって当サイトは、この数字を実績の絶対値としては扱いません。そのうえで、報告していない事業者が多数を占めるなかで数字を出していること自体は、一つの姿勢として確認できる事実だと考えています。

なお、当サイトが別途、社名に「Vision」を含む職業紹介事業者15件を確認したところ、就職者数の欄に数字が入っていたのは2件だけでした。報告している事業者のほうが少数派です。

雇用形態にも差がある

見落としやすいのが「うち無期」の列です。

  • レバテック、MyVision、アクシスコンサルティング、アイムファクトリー、エス・エム・エスは、就職者のほぼ全員または全員が無期雇用
  • 明光キャリアパートナーズは547人中137人(25.0%)
  • ネオキャリアは3,386人中503人(14.9%)

さらにネオキャリアは、4か月未満の有期雇用での就職を30,252人日と報告しています。同じ「転職エージェント」でも、短期・有期の紹介を主軸にしている事業者があります。

正社員での転職を前提に問い合わせる場合、ここが合っているかは先に確認したほうがよい部分です。

この表の限界

3点あります。

  1. 自己申告です。 国が検証した数字ではありません
  2. 就職者数と離職者数は、同じ人の集団を追跡した値とは限りません。 前の年度に就職した人の離職が計上される場合があるため、「割合」は厳密な定着率ではなく目安です
  3. 許可は事業主単位です。 1社が複数のサービスを運営している場合、数字はその合計になります。MyVisionの1,931人には、ツインプロ・TechGo・ビルドジョブの分が含まれます

調べ方

同じ手順で誰でも確認できます。

  1. 厚生労働省「人材サービス総合サイト」を開く
  2. 「許可・届出事業所の検索:職業紹介事業」へ進む
  3. 都道府県で「全国」を選ぶ
  4. 「事業主名称」に会社名の一部を入れて検索する

注意点が2つあります。サービス名では引けません。 検索できるのは事業主(運営会社)の名称なので、たとえば「ツインプロ」では0件で、「MyVision」で出ます。もう1つ、英字は全角で登録されています。 半角の「MyVision」では0件でした。

数字はいずれも2026年8月12日時点のものです。最新の値は上記の手順で確認できます。

出典

  1. 職業紹介事業所検索(全国/令和8年8月1日現在) (2026-08-12 閲覧)
  2. 職業紹介事業の運営に関する情報提供(職業安定法) (2026-08-12 閲覧)

最終更新:2026-08-12

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