「営業職はいつでも募集している」を、公的データで検算する

筆者は営業職ではありません。本記事は厚生労働省が公表している統計を確認・整理したものです。 このページに広告は掲載していません(広告掲載方針)。

「営業ならどこでも募集している」「未経験でも入りやすい」という言い方をよく見かけます。求人の多さは公的な統計で確かめられます。

営業職業従事者 2.01倍 有効求人72,760件 ÷ 有効求職36,267人
全職業の平均 1.01倍 有効求人2,020,228件 ÷ 有効求職2,002,441人

2.01倍。全職業の1.01倍に対して、ちょうど約2.0倍でした。

求人のほうが多い状態なのは事実です。ただし当サイトが確認した20職業の中では13番目で、突出してはいません。

事務職と比べると差が大きい

  • 建設躯体工事従事者 7.85倍
  • 土木作業従事者 5.97倍
  • 保安職業従事者 5.85倍
  • 建築・土木・測量技術者 4.96倍
  • 建設・採掘従事者 4.80倍
  • 機械整備・修理従事者 3.81倍
  • 介護サービス職業従事者 3.70倍
  • 医療技術者 2.92倍
  • 自動車運転従事者 2.42倍
  • 接客・給仕職業従事者 2.30倍
  • 社会福祉専門職業従事者 2.28倍
  • 飲食物調理従事者 2.19倍
  • 営業職業従事者 2.01倍
  • 保健師,助産師,看護師 1.86倍
  • 製造技術者(開発) 1.81倍
  • 情報処理・通信技術者 1.33倍
  • 製造技術者(開発を除く) 0.72倍
  • 会計事務従事者 0.56倍
  • 事務従事者 0.35倍
  • 一般事務従事者 0.28倍
  • 職業計(全体) 1.01倍
職業別の有効求人倍率。厚生労働省「一般職業紹介状況(令和8年6月分)参考統計表」(令和8年6月/常用・パート含む/全国計)。2026-08-13に当サイトが確認。

一般事務従事者は0.28倍です。営業の2.01倍とは、約7.2倍の差があります。

「事務職を希望していたが営業も見ることにした」という選択が現実的な理由は、この差にあります。求人と求職者の数の比という一点に限れば、営業のほうが余裕があります。

一方、上を見ると建設躯体工事7.85倍、保安5.85倍があり、営業はその半分以下です。

求人数で見ると上位です

倍率が中位でも、求人の実数は大きいのがこの職種の特徴です。

有効求人は72,760件。建設躯体工事従事者(19,335件)の約3.8倍あります。

「倍率が高い」と「求人が多い」は別です。 選択肢の数を優先するなら、営業は上位に入ります。「どこでも募集している」という表現は、倍率よりも求人数の実感から来ていると考えられます。

この数字が言っていないこと

  • 倍率は求人の中身を反映しません。 給与体系(固定給か歩合か)、扱う商材、訪問件数の目安などは含まれていません
  • 「営業職業従事者」は業界を問わない区分です。 法人向け・個人向け、無形商材・有形商材の違いは分かりません
  • ハローワークの数字です。 転職エージェントや求人サイト経由の求人は含まれません
  • 離職のしやすさは、この統計からは分かりません

とくに最後の点について。営業は「募集が多いのは辞める人が多いからだ」と説明されることがありますが、当サイトはその因果を確かめる材料を持っていません。 求人が多いという事実だけが確認できます。

他の職種と並べると

  • 建設躯体工事:7.85倍(記事
  • 保安(警備など):5.85倍(記事
  • 営業:2.01倍
  • 一般事務:0.28倍(記事

全職業の一覧は職業別の有効求人倍率にまとめています。

まとめ

  • 営業職業従事者の有効求人倍率は2.01倍。全職業のちょうど約2.0倍です
  • 当サイトが確認した20職業の中では13番目で、突出してはいません
  • 一般事務(0.28倍)とは約7.2倍の差があります
  • 有効求人72,760件と、求人の実数は上位です
  • 「募集が多いのは辞める人が多いから」という説明の当否は、この統計からは分かりません

数字は令和8年6月分(2026-07-31公表)を、2026-08-13に確認したものです。

出典

  1. 一般職業紹介状況(令和8年6月分)参考統計表 (2026-08-13 閲覧)
  2. 一般職業紹介状況(職業安定業務統計) (2026-08-13 閲覧)

最終更新:2026-08-13

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