「建設・施工管理は人手不足」を、公的データで検算する

筆者は建設業で働いていません。本記事は厚生労働省が公表している統計と、当サイトが集計した報告値を整理したものです。 このページに広告は掲載していません(広告掲載方針)。

当サイトはこれまで、「人手不足」と言われる職種の求人倍率を確かめてきました。ITエンジニアは1.33倍で、思ったほど高くありませんでした。

建設はどうか。結論から書くと、こちらは数字と一致します。

建設躯体工事従事者 7.85倍 有効求人19,335件 ÷ 有効求職2,462人
全職業の平均 1.01倍 有効求人2,020,228件 ÷ 有効求職2,002,441人

建設躯体工事従事者の有効求人倍率は7.85倍。全職業の1.01倍に対して約7.8倍で、当サイトが確認した職業の中で最も高い水準です。

求職者1人に対して求人が約7.8件ある計算になります。

建設は、職種を問わず高い

  • 建設躯体工事従事者 7.85倍
  • 土木作業従事者 5.97倍
  • 保安職業従事者 5.85倍
  • 建築・土木・測量技術者 4.96倍
  • 建設・採掘従事者 4.80倍
  • 機械整備・修理従事者 3.81倍
  • 介護サービス職業従事者 3.70倍
  • 医療技術者 2.92倍
  • 自動車運転従事者 2.42倍
  • 接客・給仕職業従事者 2.30倍
  • 社会福祉専門職業従事者 2.28倍
  • 飲食物調理従事者 2.19倍
  • 営業職業従事者 2.01倍
  • 保健師,助産師,看護師 1.86倍
  • 製造技術者(開発) 1.81倍
  • 情報処理・通信技術者 1.33倍
  • 製造技術者(開発を除く) 0.72倍
  • 会計事務従事者 0.56倍
  • 事務従事者 0.35倍
  • 一般事務従事者 0.28倍
  • 職業計(全体) 1.01倍
職業別の有効求人倍率。厚生労働省「一般職業紹介状況(令和8年6月分)参考統計表」(令和8年6月/常用・パート含む/全国計)。2026-08-13に当サイトが確認。

建設関連を抜き出すと、次のようになります。

職業有効求人倍率
建設躯体工事従事者7.85倍
土木作業従事者5.97倍
建築・土木・測量技術者(施工管理など)4.96倍
建設・採掘従事者(大分類)4.80倍

どれも全職業の1.01倍を大きく上回っています。 特定の職種だけが高いのではなく、領域全体が高い状態です。

施工管理などが含まれる「建築・土木・測量技術者」は4.96倍で、対前年同月比は有効求人-0.7%、倍率-0.02ポイントとほぼ横ばいでした。一時的な現象ではないことがうかがえます。

転職サービス側のデータも、比較的そろっています

この領域には、もう1つ特徴があります。

当サイトが建設・施工管理の紹介事業者を確認したところ、16社中10社が6か月以内の離職者数を公表していました。

介護(17社中6社)や看護(10社中3社)と比べると、公表している割合が高い領域です。つまり、サービスを数字で比べられる余地があります。

事業主 就職者 うち無期 6か月以内の離職 割合 手数料実績率
キャリアスタート 2,905 2,905 341 11.7% 25.9%
ブリッジワン 1,637 1,637 181 11.1% 55.5%
X Mile 4,631 4,631 364 7.9% 40.0%
HR 3,556 3,556 278 7.8% 35.0%
スポーツフィールド 939 901 66 7.3% 34.4%
ジールコミュニケーションズ 2,124 2,124 28 1.3% 28.6%
アイデム 1,563 1,299 17 1.3% 22.2%
株式会社MyVision 1,931 1,931 0 0.0% 38.1%
ツナグバ 1,670 1,362 0 0.0% 22.9%
パーソルキャリア 60,307 57,961 報告なし 32.8%
クイック 10,905 10,036 報告なし 36.6%
レバレジーズ 5,067 5,060 報告なし 31.3%
ヘイズ・ジャパン 1,007 1,007 報告なし 20.1%
建築・土木・測量技術者を扱う事業者のうち、無期雇用の就職者が900人以上のもの。厚生労働省 人材サービス総合サイト(令和8年8月1日現在/2026年8月13日確認)。「報告なし」は0人という意味ではありません。

表の数値は各事業者が厚生労働省へ報告した自己申告値で、国が検証・監査したものではありません。 「報告なし」は0人を意味しません。 許可は事業主単位のため、複数のサービスを運営する事業者の値は合算です。

公表している10社の合計では、無期雇用で就職した21,153人のうち1,352人が6か月以内に離職しており、割合は6.4%です。

参考までに、当サイトが集計した他の領域は保育22.6%、介護22.6%、IT・コンサル1.7%でした。建設は中間にあたります。

求人が多い状態で、何を見るか

求人倍率が高い領域では、選択肢が多いぶん、選ぶ基準を求人数以外に置く必要があります。

この領域は他より公表率が高いので、次の3点が実際に確認できます。

  1. 離職者数を公表しているか。 16社中10社が出しています
  2. 無期雇用の比率。 当サイトが確認した範囲では、建設領域の事業者は就職者の全員または大半が無期雇用と報告しています
  3. 手数料実績率。 20.1%から55.5%まで開いており、事業者ごとの差が大きい領域です

各事業者の数字は建設・施工管理の転職エージェントにまとめています。

この検算の限界

  • ハローワークの数字です。 民間の紹介サービス経由の求人は含まれません
  • 倍率は求人の中身を反映しません。 給与、勤務地、休日、資格要件は含まれていません。倍率が高いことと、条件の良い求人が多いことは別です
  • 職種区分は粗いままです。 「建築・土木・測量技術者」には設計から施工管理まで含まれます
  • 離職者数は事業者の自己申告です

求人倍率が高いことは「入りやすさ」を示しますが、「働きやすさ」を示す数字ではありません。 そこは別の材料で判断する必要があります。

まとめ

  • 建設躯体工事従事者の有効求人倍率は7.85倍で、当サイトが確認した職業の中で最も高い水準です
  • 土木5.97倍、施工管理などを含む建築・土木・測量技術者4.96倍と、領域全体が高い状態です
  • 「建設は人手不足」という説明は、この領域では数字と一致します
  • 紹介事業者の公表率も16社中10社と高く、サービスを数字で比べられる数少ない領域です
  • 公表10社の合計では、6か月以内の離職は6.4%です

数字は有効求人倍率が令和8年6月分(2026-07-31公表)、報告値が令和8年8月1日現在です。いずれも2026年8月13日に確認しました。

出典

  1. 一般職業紹介状況(令和8年6月分)参考統計表 (2026-08-13 閲覧)
  2. 職業紹介事業所検索(詳細検索:008 建築・土木・測量技術者/全国/令和8年8月1日現在) (2026-08-13 閲覧)
  3. 一般職業紹介状況(職業安定業務統計) (2026-08-13 閲覧)

最終更新:2026-08-13

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