「飲食は人手不足」を、公的データで検算する
筆者は飲食業で働いていません。本記事は厚生労働省が公表している統計を確認・整理したものです。 このページに広告は掲載していません(広告掲載方針)。
飲食店の人手不足は、店舗の営業時間短縮などの形でニュースになります。厚生労働省の統計で需給を確認しました。
2.19倍。全職業の1.01倍に対して約2.2倍で、求人のほうが多い状態です。
ただし当サイトが確認した20職業の中では12番目。倍率だけを見ると中位です。
倍率は中位、求人数は上位
- 建設躯体工事従事者 7.85倍
- 土木作業従事者 5.97倍
- 保安職業従事者 5.85倍
- 建築・土木・測量技術者 4.96倍
- 建設・採掘従事者 4.80倍
- 機械整備・修理従事者 3.81倍
- 介護サービス職業従事者 3.70倍
- 医療技術者 2.92倍
- 自動車運転従事者 2.42倍
- 接客・給仕職業従事者 2.30倍
- 社会福祉専門職業従事者 2.28倍
- 飲食物調理従事者 2.19倍
- 営業職業従事者 2.01倍
- 保健師,助産師,看護師 1.86倍
- 製造技術者(開発) 1.81倍
- 情報処理・通信技術者 1.33倍
- 製造技術者(開発を除く) 0.72倍
- 会計事務従事者 0.56倍
- 事務従事者 0.35倍
- 一般事務従事者 0.28倍
- 職業計(全体) 1.01倍
倍率では建設躯体工事7.85倍、保安5.85倍が上にあります。
一方、有効求人の実数を見ると順位が変わります。
| 職業 | 有効求人倍率 | 有効求人 |
|---|---|---|
| 建設躯体工事従事者 | 7.85倍 | 19,335件 |
| 保安職業従事者 | 5.85倍 | 93,473件 |
| 飲食物調理従事者 | 2.19倍 | 111,078件 |
| 自動車運転従事者 | 2.42倍 | 98,721件 |
飲食物調理は、倍率が最も高い建設躯体工事の約5.7倍の求人数があります。
この職種の「人手不足」の実感は、倍率よりも求人の絶対数から来ていると考えられます。求人が11万件あれば、探している側から見て「どこでも募集している」ように見えます。
求職者も多い職種です
もう1つ、この職種の特徴があります。
有効求職は50,823人。これは倍率が上位の職種と比べて多い数字です。建設躯体工事の有効求職は2,462人なので、約21倍の人が探しています。
つまり飲食物調理は、求人も求職も両方多い職種です。倍率が中位に収まるのはそのためです。
参考までに、一般事務は有効求職425,688人に対して有効求人120,372件で0.28倍。求職者が多くても求人が少なければ倍率は下がります。飲食はそうなっていません。
この検算の限界
- 倍率は労働条件を表しません。 給与、勤務時間、休日、深夜勤務の有無は含まれていません
- 「飲食物調理従事者」は調理の職種です。 ホールなどの接客・給仕は別の区分で、有効求人倍率2.30倍(有効求人76,566件)になります
- ハローワークの数字です。 飲食はアルバイト情報サイト経由の募集も多く、市場全体を表すものではありません
- 常用の統計です。 この記事の数字はパートを含む常用雇用のものです
とくに1つ目について。倍率が高い職種は、応募が集まりにくい理由がある場合もあります。 求人が多いこと自体は事実ですが、なぜ多いのかはこの統計から分かりません。
他の職種と並べると
全職業の一覧は職業別の有効求人倍率にまとめています。
まとめ
- 飲食物調理従事者の有効求人倍率は2.19倍。全職業の約2.2倍です
- 当サイトが確認した20職業の中では12番目で、倍率としては中位です
- 一方、有効求人111,078件は上位で、倍率1位の建設躯体工事の約5.7倍あります
- 求人も求職も多い職種のため、倍率は中位に収まっています
- 倍率は労働条件を表す数字ではありません
数字は令和8年6月分(2026-07-31公表)を、2026-08-13に確認したものです。
出典
- 一般職業紹介状況(令和8年6月分)参考統計表 (2026-08-13 閲覧)
- 一般職業紹介状況(職業安定業務統計) (2026-08-13 閲覧)
最終更新:2026-08-13
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